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追うぞ! 千夜千冊128夜 『ボドニ物語』 田中正明
表題に物語とあるから、何かファンタジー小説かと思った。見るとタイポグラフィの話だと知る。

タイポグラフィ(Typography)は、活字を用い、それを適切に配列することで印刷物における文字の体裁を整える技芸である。印刷物の読みやすさである可読性や、視認性、そしてその美しさを得るために、活字の配置・構成やその属性すなわち書体、字体の大きさ、行と行との間隔、文字と文字との間隔、印刷紙面上での活字が占める領域の配置・構成などを設定し、経済的に効率良く印刷物を出版することがタイポグラフィの始点である。

アップル創業者スティーブ・ジョブスが、Reed大学でカリグラフィ(装飾文字)の授業に出て話は有名だ。タイポグラフィの一部にカリグラフィがあるという理解でよいだろう。

松岡正剛さんは高校時代の「九段新聞」の話をしている(九段高校では新聞部とはいわずに出版委員会といったそうだ)。
「京都朱雀高校の1年目の4月に九段に編入試験を受けて入り、たしか5月にはさっさと入部していた。誰かに勧誘されたわけではなく、廊下に何げなく貼ってあった一枚の「九段新聞・編集部員募集・部室まで」という粗末な貼紙を見て入ったようにおもう。このときの2年生に水泳部キャプテンで、のちに日本弁護士会の副会長になった山田勝利が、3年生に当時すでにひとかどのミステリー・マニアで、のちにJICC出版をおこして「宝島」を創刊した鈴木(石井)慎二がいた。ぼくはこの先輩二人に編集稽古を鍛えられた。すでに紹介した『嵐が丘』をぼくに勧めた岩崎文江嬢も、実はこの出版委員会にいた。高校新聞の何がおもしろいかというと、毎月一回、二、三日にわたって印刷所に行けることである。印刷所は日刊工業新聞社のビルの中にある。そこに行って毎月一回のいわゆる“出張校正”をやる。校正室にはいろいろの出版社や業界紙のオトナたちが入れ替わり立ち代わり来ていて、赤ペンや赤鉛筆でゲラ校正をしている。このころはまだ朱筆をつかえる老練な編集者たちが顔をきかしていたころで、この人たちが辞書も見ないで棒ゲラにさらさらと難しい漢字の朱を入れる姿は、なかなか見ものであった。かれらはゲラ待ちの時間になると、青臭い議論をするか、そうでなければ将棋や碁を指していた。しかし、ぼくを最も興奮させたのは活版組みの現場に降りていって、組版の職工さんにまじって鉛の活字をいじることだった。そこはまさに金属サーカスの現場だったのである。活版印刷と活字。それはぼくの青春の現場のひとつを飾る鉱山であって、鈍色(にびいろ)の光を放つ宝石だったのだ。それ以来というもの、つねにどこかで「文字の文化」というものに惹かれてきた。」

ところで本書は「ボトニ書体」を取り上げ、作者の人物像からその美的評価までを考察している。どうでもよい話である。これでお仕舞いにする。
[2014/09/29 22:35] | 追うぞ! 千夜千冊 | コメント(0) | page top
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