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甲野善紀
甲野善紀さんのことはずっと気になっていたのですがやっとご本人からお話を伺うことができました。何の人なのかは説明がし難いです。身体技法の実践研究者と云っておきましょう。

以下、私の解釈です。甲野善紀さんご本人ならびに関係者の皆さま、間違っていましたらごめんなさい。

何をするにしても“身体合理的”(これは私の造語)な動作がある。科学は発達したが身体技法は未だ究明されていない。我々はいまの科学で身体動作の合理性を考える。ところが甲野善紀さんは“身体合理性”を極めようとしている。当然に「いまの科学を超えるところ」が生じる。その「いまの科学を超えるところ」を我々はなかなか理解できないでいる。なぜなら我々はいまの科学を盲信するからである。

と、云った趣旨です。

もちろん我々もバカではないので科学を常時発達させます。身近な一例を挙げると、昔は激しい練習中に水を少しでも飲んではいけないとされた。いまではその間違った“身体合理性”はまったく排除されています。

ところが甲野善紀さんが、例えばいまのゴルフの打ち方はまったく非“身体合理的”であると云っても、誰も理解できない。なぜ打つときに地面に止まっているゴルフボールを見ながら打つのか、そこが根本的に間違っていると話されていました。で、本来のゴルフの打ち方の実践です。やって下さいました。会場は大爆笑。だってそんな打ち方を誰も考えたことないもの。

そのように、科学は発達しても“身体合理性”については「いまの科学を超えるところ」がたくさん残っているという主張です。

で、私は思うのです。その甲野善紀さんが身につけている“身体合理性”ってほんとうに身体的に合理的なのかと。これは真っ当な疑問だと自分でも思っています。だから甲野善紀さんの説明を大いに期待しました。ところが残念ながら感じたことは、言葉には限界があることです。甲野善紀さんの言葉が少ないとか拙いとかではなくて、「いまの科学を超えるところ」を言葉で説明し難いからです。

なので、甲野善紀さんのできることは、(もちろん言葉に限界はあると云えども可能な限り説明することは前提であり、甲野善紀さんはそれをきちんとなされているうえで)実践のみです。

分かりやすい実例が、介護分野で要介護の人(イメージを持ってもらうために、この人を体の大きい男性とします)を小さい女性が介護するとしましょう。彼女が彼を抱きかかえる場合、甲野善紀さんが云うには、“身体合理的”でないいまの介護分野に蔓延っている方法論により、その女性は多大な負荷を被っている。甲野善紀さんが“身体合理的”な抱きかかえ方を実践してくれたのですが、わずかな力で男性を抱きかかえることができる。この実践は文句なしの説得でした。だけどそれがなぜなのかを科学的に説明できない。

たいへん奥が深い。身体技法について、私はこれから甲野善紀さんの教えを貪欲に取り入れようと思います。
[2010/11/20 06:45] | 人物評 | コメント(0) | page top
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