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追うぞ! 千夜千冊98夜 『和をもって日本となす』 ロバート・ホワイティング
プロ野球で外国人選手がああだこうだとどうでもいい話ではないか。

松岡正剛さんが何だかよくわからないことをぼやいている。
「いったい日本のプロ野球はどういうルールでやっているのか、球場でおこっていることは「野球」なのか「日本」なのか。こういう疑問は日本に訪れて帰っていった多くのガイジン選手によって、何十回となく囁かれてきた。それほど、日本プロ野球の本質はガイジン選手の目には異様に映ってきた。曰く練習のしかた、曰くペース配分、曰くフォーム改造、曰く作戦の立て方。いったい日米どちらの言い分がまともなものなのか」

で、今宵は『菊とバット』の著者だと知っていたし、本著が出版されたのは1990年だと思うが、そのとき買って読んだ記憶が微かにある。要するに、日本のプロ野球を通して日米の社会や文化に精通した著者が、米国と比較しながら日本文化を論じている内容なのだ。

松岡正剛さんもこう云っている。
「そこで本書の著者ロバート・ホワイティングが敢然と立ち上がったのである。著者は日本人を奥さんにもつ在日ジャーナリスト。なにしろガイジンから本音の話が聞けるところが強い。また、日本の謎を解きたいと真剣におもっているところが強い。たとえば、それまでまずまずのピッチングをしていた日本人のピッチャーがホームランを打たれて敗戦したとする。そのピッチャーは試合後のインタビューに答えて「ぼくの一番のまっすぐで勝負しましたから、いいんです」と言う。監督もコーチも解説者も「あれはしかたがない。いい度胸ですよ」と言う。ところが、これがガイジン選手にはわからない。だって、彼は打たれたのである。自分の得意のボールを投げようとも、単に打たれたのだ。それが日本人のあいだでは「度胸がよかった」という美談になっていく。なぜ、こんなふうになるのか。何が日本人とガイジン選手とのちがいなのか。それは日本とアメリカのちがいなのか。野球は野球ではないのか。ホワイティングはその疑問に答えるべく立ち上がったのである」

日本文化を日本のプロ野球にみる着想は興味深い。しかし、それは米国人に受けるのであって、大方の日本人はすでに承知していることではないか。

それでも松岡正剛さんは本著を勧めている。
「正直に見て、この本は「きっと日米間のコミュニケーション・ギャップを解消してくれる」とアメリカ人が騒いだほどの効果は日本では期待できないにしても、日本人がぜひとも読むべき本である。キーワードは「和」に対する理解の仕方というもの、本書はそこを日米両側の野球選手のインタビューや事例を次々にくりだし、なんとか浮き彫りにしようとしてくれている。読んでいくうちに、こういうことこそ日本人が取り組んで解明に乗り出すべきではなかったかという気にさせられる。プロ野球のとんでもない内幕がごっそり紹介されているのが、かえっておもしろいかもしれない」

僕の感想は、それでもそのようなことをR・ホワイティングに教えられたくもない。
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[2013/07/21 22:09] | 追うぞ! 千夜千冊 | コメント(0) | page top
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