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追うぞ! 千夜千冊59夜 『華国風味』 青木正児
本書にざっと目を通す。中国の食べ物についての話だと知った。青木正児って誰? 知らないのは恥ずかしいことか。それさえも分からない。困った。。。

青木正児(あおき まさる 1887年-1964年)は、山口県下関の生まれで、昭和初期の日本の中国文学研究者である。現熊本大学を経て、明治41年(1908年)創設された京都帝国大学文科大学支那文学科に第1期生として入学し、狩野直喜(かのなおき)や幸田露伴らに学んだ。在学中は仲間と『支那学』誌を創刊するなどし、大正・昭和前期の狩野君山・内藤湖南らのおこした京都シナ学の発展に大きく寄与したと言われている。

専門家の評価はこうである。青木正児は、中国の文物に対する日本の昭和前期の、日本中国にまたがるその分野での最も水準の高い精密な研究であり、殊に中国古典文学を旧来の道徳学的教学思想の束縛から解放して、文学として独立した学術評価を与えた点で画期的な内容であったと言われている。

なんだかめっちゃ硬派の人のように思えるが、松岡正剛さんの次の説明を読むと気持ちが少しは楽になる。
「本書は「くいしんぼう」のための中国食道楽案内で、いわばそうとうに軟派のたぐいのものであるのだが、読んでいるととうていそんな気にはなれないようになっている。あたかも巨大な軍艦の総帥として、中国の全食材全食品全食器を全軍指揮を執っているかのような気分にさせられるのだ」

青木正児は中国の「名物学」の大家だと言われている。ここで「名物学」なる言葉を知らねばならない。

江戸時代の前から日本には「本草学」というものがあった。ある専門家が云うには、「本草学」とは薬物の性能を究明する任務を持つ。したがって薬物の原料であるところの、(1)天産物の名称・異名やその産出状況・形状・利用面と、(2)農蚕・園芸・水産におけるその栽培・養殖の方法や利用などを含んでいた。後にこれらが分離し、(1)を「名物学」と(2)を「物産学」と呼ぶようになった。なお明治期には、これらを総称して「博物学」と称した。

青木正児は、この「名物学」を以下のように定義している。「名物学は名物の訓詁(くんこ)に発し、名物の考証をもって窮極の目的とする」と。

であるから本書は、青木正児による中国の「名物学」の博識により展開される、食いしん坊雑記のようなものだと思えばよいのではないか。

松岡正剛さんが、
「これは、昭和のよき日の日本の料亭の贅を凝らした数寄料理を案内した名随筆で、京都高台寺あたりの風情をいまもって愛する者ならば一度は読むべき文章である。ぼくもいつかは「和久傳」の女将や若女将に、この文章を奨めなければならないとおもっている。もっとも桑村綾子さんも裕子さんも、そんなことはとっくに御存知なのだろう」と綴っている。

京都高台寺和久傳ですか。そのような高級料亭には生涯行くこともないだろう私には縁遠いことでございます。
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[2011/10/28 19:18] | 追うぞ! 千夜千冊 | コメント(0) | page top
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