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嗚咽
嗚咽は、おえつと読む。国語辞典では、その意味を「声をつまらせて泣くこと。むせび泣き」と書かれている。私はどうもこの説明にしっくりときていない。

私なら、嗚咽を次のように定義する。それは「言葉にならない身体の深い哀しみ」であると。慟哭と言ってもよいのだが、嗚咽はもっと生理的なものだと感じる。

私はこんな体験をしている。今年5月に父を亡くした時のことだ。深夜に息を引き取ったものだから、施設に入居している母に知らせるのは明日とした。翌朝、母の部屋に入り父が逝ったことを告げた。そのとき、母の言葉にならない情感の蠢(うごめ)きが迸(ほとばし)った。あぁ、これが嗚咽というものだなと感じた。

肉親とか大切な人との別れ、また途方もない試練に襲われたときに、人は嗚咽でしか身体が感じているものをあらわせないのではないだろうか。

例えば、罪を犯した死刑員に母が面会に来たとき、ガラス越しにわが子を見たとき母が嗚咽したと言われる。

嗚咽は人間の生理なのである。
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[2011/10/09 18:39] | 未分類 | コメント(0) | page top
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