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追うぞ! 千夜千冊52夜 『淀川長治自伝』上・下 淀川長治
本家の松岡正剛さんは、今宵の淀川長治についてぐだぐたと文章を書いておられるが、淀川長治を貶しているのか誉めているのか、最後まで趣旨がわからないでいました。

要約すると、初め淀川長治を嫌いだったが、淀川長治の尋常ならざる観察眼に驚いてその真価を認めるに至ったという主張のようです。

私の記憶では、淀川長治はテレビ朝日『日曜洋画劇場』の解説者で、「怖いですねえ、恐ろしいですねえ」とか、「それでは次週を御期待下さい。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」などと独特の語り口をしていたおじいさんです。それしかイメージないです。

今宵は文庫本二冊でしたが、あまり関心のない人物ですし、丁寧に読む気にもなれずページをぱらぱらとめくった程度の読書でした。

松岡正剛さんに、
「淀長(敬称略)は明治42年に生まれている。中島敦や太宰治と同い歳である。映画関係なら山中貞雄、映画が好きだった連中でいえば、花田清輝や埴谷雄高と同年になる。活動写真が登場してから13年たっている。家は神戸西柳原の芸者の置屋。昼すぎには必ず三味線が鳴りだす家だった。遊び好きの父親は二号も三号もかこっていた。周辺のすべてが色っぽかった。おまけに、このおませな幼児は、異常に感受性が発達していた」
と云われましても、何の興味も関心も湧きません。

とにかく淀川長治は、何でも観ることに執念を燃やした人なんだということ、そして生活環境から磨かれた感受性と相まって独特の映画評価眼を養った人なのだということを知りました。

気になる情報と云えば、松岡正剛さんが次のように云っています。
「淀長はこの長い自伝の最後の最後になって、多くの人から「淀長さんが見てきた映画のなかでベストテンを選ぶとするとどういうものか」と聞かれるが、とうてい10本など選べないといいながら、ついつい好きな映画を洩らしている。順番はない。それらは、チャップリンの『黄金狂時代』『巴里の女性』、シュトロハイムの『グリード』、キング・ヴィドアの『シナラ』、エイゼンシュタインの『ストライキ』、フォードの『駅馬車』、スタンバーグの『大いなる幻影』、ジョージ・シートンの『喝采』、マイケル・パウエルの『赤い靴』、デイヴィッド・リーンの『旅情』、ヴィスコンティの『ベニスに死す』『家族の肖像』、フェリーニの『82/1』『アマルコルド』などなのだ。つまりは、これらはぼくの好みと、「日曜洋画劇場」の淀長の解説なんか聞いていられないとおもっていた当時のぼくの好みと、実はほとんどぴったりあっていたのである! なんということだろう。人を侮ってはいけない」

このリストを見て、あぁなんてことだ、自分はそれらの一つも観たことがないと悟りました。

名作映画をちゃんと観よう。そういう学びで今宵を閉じたいと思います。それでは次夜を御期待下さい。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。
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[2011/02/09 03:47] | 追うぞ! 千夜千冊 | コメント(0) | page top
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