スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[--/--/-- --:--] | スポンサー広告 | page top
追うぞ! 千夜千冊49夜 『マイルス・デイビス自叙伝』 マイルス・デイビス&クインシー・トループ
マイルス・デイビスが、モダン・ジャズの帝王と呼ばれるトランペット奏者であることぐらいは知っていました。しかしながらジャズを聴かないのでマイルス・デイビスがどれほど凄いのかはよく知りません。

今宵の図書を松丸本舗で求めましたが、何を勘違いしていたのか 『マイルス・デイビスの生涯』ジョン・スウェッド を買っていたことにあとで気づきました。49夜を書くにあたりさっそく指定文庫本2冊(ⅠとⅡに分冊されている)を取り寄せたというわけです。

表題と著者名からもわかるように、本著はクインシー・トループという人がマイルスに3日間インタビューしたものを元にしたものと云われています。ジャズは黒人ミュージックですから、本著はジャズミュージシャンの自伝にとどまるものではなく、白人中心の米国社会で毅然とした態度で生き抜いたある黒人男性の闘いを赤裸々に綴った本という位置づけになるのだと思います。だいたいこういう話は、田舎から都市部に出てきた黒人青年が白人社会と対峙しながらジャズに目覚めていくというものです。

松岡正剛さんの説明に学びましょう。
「マイルスはこのときすぐに、かれらの舞台であるニューヨークに行く決意をしている。そして、ニューヨークに行ったらすぐにジュリアード音楽院に入っている。白人偏重の学校の授業は気にいらなかったが、ちゃんと音楽理論は身に入れている。授業がおわれば、夜中まではハーレムの「ミントンズ・プレイハウス」に行き、そこに入り浸った。ただただバードとディズを聴くのが目的である」

ジャズはアフリカ系アメリカ人の音楽形式と西洋音楽の技術と理論が融合して生まれたものですから、きちんとした理屈があるということです。若きマイルスはそれをきちんと押さえています。またヘロインやコカインをやり麻薬的精神による高揚を肯定するという話はよくあることでマイルスも例外ではなかったのでしょう。

それからマイルスがジャズに熟達していく話が延々と続きます。文字だけで追った私には退屈きわまりなかったです。

で、いつものように松岡正剛さんの決め台詞はと云うと、
「さて、自叙伝を読んであらためて感じたことは、マイルスはどんなに若い新人たちとも、彼らが何かものすごいものの片鱗をもっているかぎりは、つねにかれらに音楽の醍醐味を教え、それをたちまちマスターしていくかれらから存分に学んでいたということである。ハービーに代えてチック・コリアにピアノをまかせたのも、マイルスの実験であり、学習だった。その最も独創的なプロセスのひとつが「ビッチェズ・ビリュー」(1969)をつくる話に吐露されている」

「もうひとつぼくが気にいったのは、「オン・ザ・コーナー」の作り方である。それは、カールハインツ・シュトックハウゼンとポール・バッハマスターとスライ・ストーンとジェームズ・ブラウンのコンセプトを十分にシャッフルして、そこにマイルス独自の「空間の扱い方」をあてがい、それによって音楽的なリンクが自由になるようにすることで生まれるのだ、という“解説”だった。これはまさに「編集的ハイパーミュージック」そのものである。マイルス・デイビス自身も書いている、「シュトックハウゼンを通して学んだことは、音楽が削除と付加のプロセスであるということだった」。

何でも編集工学に話をもっていくのだな。まぁ、いつものことだから仕方がないとしても。

私の学び方ですが、こんな文字からじゃちっともわからないと思い、YouTubeでひたすらマイルス・デイビスを聴きました。けっこういかつい顔した人です。いでたちもかっこいい。トランペットのしらべは心に沁み入ります。今宵はこれを感じられただけでもよかったです。

余談ですが、間違って買った 『マイルス・デイビスの生涯』ジョン・スウェッド も良書だと思います。そもそもマイルス・デイビスはあまり語らない人だったと云われています。その中で『マイルス・デイビス自叙伝』を超える評伝をよく書いたものです。拍手。
スポンサーサイト
[2010/12/28 06:38] | 追うぞ! 千夜千冊 | コメント(0) | page top
| ホーム | 次のページ>>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。