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千夜千冊26夜 『リベラルライフ』 杉本彩
8夜で川島なお美『熟婚のすすめ』を千夜千冊したとき、対比で杉本彩を思い浮かべエロティシズムの人というイメージを膨らませていた。難しいことはよく知らないが、エロティシズムとは性に美をみようとすること、その程度の浅い認識なのだが。

そういうイメージを抱いていた頃、東銀座のシネパトスで『花と蛇2 パリ/静子』の舞台挨拶に立ち会い生の杉本彩を見た。彼女に遠山静子ははまり役だと思った。この映画が決定的となり、その後、私の中では杉本彩ってエロティシズムの人というのが根づいてしまった。

本名は松山基栄(まつやまもとえ)さんと云うのだが、私より5歳下の彼女の出身が京都ということもあり、若い頃から目立っていたという噂話をちらほら聞いたことがある(彼女の代名詞は学園祭の女王だ)。関西出身という意味では、藤原紀香と並んで昔から興味を持っていた(しかしながら杉本彩は、藤原紀香と違って関西弁は口にしないが)。

今宵は自叙伝であることに注目。エロティシズム作品であったら、今の私は敬遠していたように思う。ところが松山基栄という女性がどういう人なのかということになると、ぜひとも読もうという意欲が湧いてきた。川島なお美と同様に杉本彩もAB型。あくまで俗論だが、AB型は男性でも女性でも生き方にこだわりがあり、かつ人生が波乱に富んでいる。そのため独特の個性が宿る。それが魅力となり人を惹きつける。

彼女が11年間連れ添ったというのはたしか沼田年則という人だと思うが、この男性とそして実母との生活と葛藤が赤裸々に綴られている。父が借金をこしらえるという話は誰の物語でも家族にその後人生の波乱を与えるもの。松山基栄さんにも例外ではない。

俗論続きだがAB型は純粋だ。彼女の価値観がよくあらわれているのは次の文章だろう。

「私は、慎重に男を見極めてから愛しはじめるし、一度愛したら簡単に別れることはない。また、相手にクリエイティブな感性がなければ私を理解できないだろうし、付き合ってもいけないだろう。私の言葉や行動について思慮深く掘り下げて考えてくれる人、そして大きな愛で受け止めてくれる人でなければ、絶対に無理である。」

そう云えば昔、芸能人社交ダンス部というのがあった。杉本彩がど真剣に踊っていた。たしか本物のダンス大会でも良い結果を残したのではなかったか。彼女は真摯に打ち込む人だということを知った。本著を読みと、このことが人生の転機の一つとなったと書かれている。

また、化粧品ビジネス事業の成長と失敗を通して実業家の厳しさも学んだようだ。ここにも親族に騙されて利用されてという話が出てくる。

彼女は云う。
「年をとることは「円熟する」ことだと私は考えている」

最後のあたりにリベラルライフの5条件が提示されている。
①自分自身のオリジナルの価値観を持つ
②被害者意識を持たない
③見たくないことも見る
④周囲との摩擦を恐れない
⑤多様性を認める

長く人生を抑圧されていたと彼女は綴っている。いま42,3歳だろうか。やっと魂を解放できる円熟期に入ったのだろうか。異性だが、私も激しく共感できた。本著を読めて良かった。しっかり心に刻みました。杉本彩さん、ありがとうございます。
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[2010/10/28 04:33] | 千夜千冊 | コメント(0) | page top
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