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追うぞ! 千夜千冊 26夜 『さらば愛しき女よ』 レイモンド・チャンドラー

松岡正剛さんはレイモンド・チャンドラーとの出逢いを以下のように述べています。「レイモンド・チャンドラーは高校二年生から大学生にかけて、いつもドキドキしながら読み漁った作家である。チャンドラーを勧めてくれたのは、・・・(途中略)。早口でどんなミステリーについても解説してくれた。が、ぼくはなんとなく勘でチャンドラーに目をつけた。おかげで、フィリップ・マーロウものはほとんど読むことになる。そのうち何本が映画化されたのかは知らないが、おそらくそれらも全部見た。それはぼくの最初のアメリカ体験だった」

私は今日までレイモンド・チャンドラーなんてまったく知りませんでした。この作家が活躍した時期は1940年代から1950年代でしかも米国ということで関心すらなかったのです。

ミステリーで、松岡正剛さんのような読書体験ということでは、私の高校から大学生にかけては、アガサ・クリスティは何作品もわくわく楽しんで読みました。フィリップ・マーロウに相当するのはエルキュール・ポアロなどでしょう。だからミステリーに心を踊らせる感覚はなんとなく分かる気がします。

ところが若い時のそういう読書体験がないと、いまさらレイモンド・チャンドラーをとなっても、すぐにその良さを知ることはとても難しいです。とにかく、「貧乏だが、やたらにダンディで、女と友情に弱い私立探偵フィリップ・マーロウの歩く先、届く眼が、ぼくの最初の衝撃的なアメリカになったのだ」と松岡正剛さんが語るイメージは映画作品で観てみないと湧いてきません。

『大いなる眠り』『長いお別れ』なども読んでみたいとは思います。だけどまず『さらば愛しき女よ』を最初から最後まで読もうという気が起こらないのは困ったことです。フィリップ・マーロウに魅了されると書いてあるが、ダメです、さっぱり興味が持てないでいます。

松岡正剛さんの解説で著者について学べます。「チャンドラーはアイルランド系のアメリカ人で、1888年にシカゴに生まれている。離婚した母親とともに7歳でイギリスに渡り、パリとドイツに留学した。その後は海軍省を皮切りにビシネスに転じて、ついに石油シンジケートのバイス・プレジデントにまでなっている。このあたりの体験がマーロウをしてハードボイルドな男にしている背景である。ところが、44歳で突如として首になる。会社のタイピストをものにしてしまったせいだったらしい。すでにその前に18歳年上を妻としていたチャンドラーが、いよいよフィリップ・マーロウその人になるのはこのときからである。チャンドラーは書きまくっていった」

この時期、こんなハードボイルド作家がいたのだ、アメリカに。そういうことを知ったというぐらいでしょうか、今宵の学びは。
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[2009/12/29 00:10] | 追うぞ! 千夜千冊 | コメント(0) | page top
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