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物語1

物語を書いてみました。あるところに応募しましたが、見事に落選した代物です(笑)。

1.ミッション

肺H-3569基地で搬入した酸素セルが整然と積まれている。薄暗い地下の格納庫に皆を集めた。今晩中にはすべての成分分析を終了したい。喜ばしいことに、班員たちは元気で機敏に働いてくれそうだ。この調子だと大丈夫だろう。エレン・ヘグリーは安堵した。

「ヘグリー、7番セルの数値がおかしいよ」ロンバートが分析表を手にして報告にきた。一目見てα値の検定ミスだと分かった。すぐ担当者のトロンを呼びつけた。「α値検定を間違えている、トロン。寝ぼけて仕事するんじゃない!」大きな声でこっ酷く叱った。

好意を寄せるロンバートが、馬鹿なトロンとでも言うかのように嘲たことがいけなかったかトロンは急に半べそになった。我々赤血球が新鮮な酸素を運ぶことがどれほど大事なことか、この娘によく言って聞かせないといけないと思った。少しでも不純物が混入すると生命にかかわるのだ。

「トロン、生命には綺麗な酸素が必要なの。不純物検査は大切な仕事よ」彼女の肩を抱き寄せて優しく耳元で話した。トロンは頷いた。すぐ近くの標本室から船長のセキガの声が聞こえる。バクテリオも一緒のようだ。きっと先日の定期探索で採取した細菌を二人で見ているのだろう。白血球や血小板というのは我々赤血球とはどうも人種が違う。ヘグリーは憂鬱になったが義務だからと思い直し白血球のセキガに報告に赴いた。

「バクテリオ、凄いぞ。この細菌は新種だな」セキガは標本を前に興奮していた。私の報告などまったく聞いていないと思うとヘグリーは腹立たしくなった。
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[2009/12/23 00:10] | 編集技術 | コメント(0) | page top
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