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追うぞ! 千夜千冊 16夜 『夜間飛行』 サン=テグジュペリ

童話『星の王子さま』を初読書。そうか、この著者が今宵の作者サン=テグジュペリだったのか。アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリと言います。フランス人の名前は長いなぁ。

松尾正剛さんの生まれは1944年で、同年7月にサン=テグジュペリが亡くなっています(事故か事件か不明とのことですが、最近ではナチス側の戦闘機隊に撃墜されたと証言されている)。20世紀初頭に活躍したフランスの作家であり、当時ドイツとフランスは交戦状態にわったわけですから晩年は軍人だったことを知りました。

サン=テグジュペリは飛行家だったということで、どういう生涯をおくった人物なのか。飛行家というのは飛行機に乗り活動する人ですが、仕事が民間郵便飛行ということで欧米と南米の間を行き来したそうです。30歳前後の頃でしょうか。

処女作が『南方郵便機』(1929)、そして『夜間飛行』(1931)と続きます。その後の『人間の土地』(1939)と評価が昇り調子となったようです。

第二次世界大戦がサン=テグジュペリの人生を変えていく。亡命先のニューヨークから自ら志願して北アフリカ戦線へ赴き1943年に偵察飛行隊への復帰を果たす。ボルゴ飛行場というところから単機で出撃、地中海上空で行方不明となりました。最終階級は少佐だったとのこと。

松岡正剛さんの紹介が素敵です。「本書『夜間飛行』は、そうしたサン=テグジュペリの「飛行する精神の本来」を描いた感動作である」。

私なりに読了し、端正な文章で厳格な主人公リヴィエールの言動に「飛行する精神の本来」を深く感じました。これは名作だと思い、この「追うぞ! 千夜千冊」で本著と出合えたことに深く感謝したのです。

松岡正剛さんの例えが素晴らしくイメージが膨らみます。「飛行機というものは農民が大地にふるう鋤のようなものであって、空の百姓としての飛行家はそれゆえ世界の大空を開墾し、それらをつなぎあわせていくのが仕事なんだということである」。

自分の拙い表現ですと、体育会系的な感じなのです。本来的に怠け者としての人間に厳しい精神を注入する、そんな雰囲気が漂ってきます。

未読ですが『人間の土地』の最後は次の言葉で終わっているようです。

「精神の嵐が粘土のうえを吹いてこそ、初めて人間はつくられる」
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[2009/11/15 00:10] | 追うぞ! 千夜千冊 | コメント(0) | page top
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