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追うぞ! 千夜千冊 5夜 『火の誓い』 河井寛次郎

京都の五条大橋から徒歩で5,6分のところに河井寛次郎記念館があります。今宵はここを訪ねてみないことにはいけないと思いました。あまり器量は良くないが人懐っこいネコが迎えてくれました。

松岡正剛さんによると、この記念館は1973年に公開されていてその翌年に行ったとあります。私がまだ10歳のころか。河井寛次郎は1966年に永眠しているので没後10年を経とうとする時に娘(河井須也子)夫婦が開館したのでしょうか。ここはかつての河井寛次郎の住居でもあります。

本家の千夜千冊に「和風の空間なのに、どすんと吹き抜けがあいていて、そこに滑車が吊ってある。作品や資材を運ぶためのものだったのだろうが、なんだか大きいもの、「胸」のようなものに包まれた。」と書いてあるのを読んでいたので、この空間をよく見入りました。さほど大きい空間ではないけれど、空気が澄んでいるようで解放感があります。松岡正剛さんがいう「胸」とは何でしょうか。いろいろ想像してみました。

私が見どころだと思えた2ヶ所を紹介します。1つは、河井寛次郎が書き物をしていた机と椅子です。この記念館では自由に座ってもよいことになっています。みんな木でできている。椅子は小さいが座ると見事なほどに身体に馴染みます。机の触り心地もよいです。深く物事を考えられそうです。

河井寛次郎って、陶芸家なのだと知りました。陶工と言うらしい。この家の裏には窯(かま)があります。ここが2つめの見どころです。レンガ造の登り窯です。随分と奥行きがあり大きいものです。約600℃で8時間程素焼した後に、この登り窯で約1,200℃で昼夜本焼するのだと知りました。

浜田庄司という人がどのような人なのか私には分かりませんが、柳宗悦だとか棟方志功などが、河井寛次郎と親しくしていた人たちだということで、有名な陶芸作家なのでしょう。ともに「日本民藝美術館設立趣意書」を書いた仲だとあります。殊に無名の日本民藝を再評価する動きをしていたのでしょう。

今宵の『火の誓い』ですが、そのような河井寛次郎の創作の中で紡ぎ出した言葉が散りばめられている随筆です。松岡正剛さんが言うように、たしかにどのエッセイも、いずれも心に沁み入ります。そして言葉の掴みが凄いです。松岡正剛さんの紹介でない私の一押しを引用します。

 すべてのものは、自分の表現
 何もない 見ればある
 ないものはない 見るだけしかない
 見つくせぬものの中にいる
 見つくせず
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この世このまま大調和
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[2009/10/04 00:10] | 追うぞ! 千夜千冊 | コメント(0) | page top
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