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千夜千冊 14夜 『ウィキペディアレボリューション』 アンドリュー・リー

ウィキペディアについて詳しく書かれています。多くのことが学べます。ウィキペディアとは、多くの言語のボランティアたちによって書かれたフリー・ライセンスの百科事典です。自由という意味でフリーなのであり、これがウィキペディアの特徴です。無料なのは当然としてなお、自由に複製、改変、利用してかまわないのです。ウィキメディア財団が運営しています。

ウィキというコンセプトは、1995年にウォード・カニンガムによって考案されましたが、ウィキペディアが始まったのは2001年になってからのことで最近です。社会革新の事例です。いまでは世界各国で無数のウィキペディアンと呼ばれる人たちが支えています。

そもそも百科事典(encyclopedia)という言葉は、古典ギリシャ語の「すべてを網羅する教育」という意味から来ていて、あらゆる一般知識を含むものを指します。現在の百科辞典の原点は18世紀に編集されたフランスの『百科全書』だと言われています。その対抗馬がイギリスの『ブリタニカ百科辞典』です。このあたりが老舗筋です。

インターネットが急速に普及したおかげで、ウィキペディアはたった10年でそれら老舗筋の百科辞典を凌駕する勢いを持つに至りました。ウィキペディアの力学はアリの巣に例えられることが多いようです。トップダウンの命令がなくとも協力し合う。すなわち、アリには階層的な指揮命令系統はなく、コロニーの知的な生存は、実際には創発行動に基づいているのだそうです。

そうか、よく考えれば、私もウィキペディアに参加できるのかと思うと、百科辞典がとても身近に感じられます。

ウィキペディアには28の公式な方針と、35のガイドラインがあるそうです。それらは、以下の5つの不変的な柱から成り立っていて、これがすべてのウィキペディアの性質を決めています。

一、ウィキペディアは百科辞典です。
ニ、ウィキペディアは中立的な観点に基づきます。
三、ウィキペディアの利用はフリーで、誰でも編集が可能です。
四、ウィキペディアには行動規範があります。
五、ウィキペディアには、この5つの原則のほかには確固としたルールはありません。

各国のウィキペディアンの事情は異なるようで、日本はとても大人しいと書いてあります。ネット上では匿名文化があるからでしょうか。

ウィキペディアから引用してみると、2009年1月現在、ウィキペディアの編集に関わっている利用者数は全世界で15万人。約260の言語版の総項目数は1000万以上に上るそうです。ウィキペディア日本語版の利用者数は2005年2月には221万人で、2006年3月には700万人に増加しているようです。

本書の最後にこんな記述があり興味を引きました。

2008年初頭、ブリタニカは編集プロセスを迅速化し、ユーザーの投稿を受け入れる試みを開始した。・・・ブリタニカはウィキペディアから学ぼうとしている。ウィキペディアは、ブリタニカから何を学ぼうとしているのだろうか。
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[2009/10/02 00:10] | 千夜千冊 | コメント(0) | page top
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