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千夜千冊 4夜 『ナンパを科学する』 坂口菊恵

タイトル通り、ナンパを科学しようとした書。

と、その前に、著者の定義を借りつつ、ナンパに隣接する他の行動にも視野に入れて俯瞰しましょう。

1.話しかけ 2.ナンパ 3.痴漢 4.レイプ、と分類します。全体を通した定義は、一般的に男性が女性に対して、面識や交際関係がないのに、意図をもって働きかける行為としましょう。※この定義に1.と4.の一部が含まれない可能性もありますがいまこの場では影響は小さいので無視します。

さて1.を除いた場合は、上記定義の一部は「性的な意図をもって」と修正されます。その中から3.と4.を除くと、すなわちこれがナンパの定義ですが、「一般的に男性が女性に対して、面識や交際関係がないのに、性的な意図をもって声をかけ誘う行為」となります。

もう一つ大切なことがあります。それは、3.以下は犯罪であるということです。

次に、著者の問題認識です。3つの否定=「ない」があります。①望まぬ性的アプローチの是非や社会的な取り扱いの仕方を議論するものではない、②女性を、人格を剥奪された性的な対象物として見なすような男性の視点を糾弾するものでもない、③意図せずして性的な関心の対象とされる可能性が最も高い10代や20代の女性にこれから出逢う男性全員に対するモラル教育の責任を負わせるものでもない。

著者は、女性に対して、自分が性的な対象として見られる可能性があるということを認識してもらうために、どのような状況がリスクを高めやすいのかにいついて客観的なデータを蓄積し示すことを目的としています。

著者は、女性がナンパを受けるのは、女性が毅然とした態度を取らないから、又は女性に「スキがある」とする俗説を退けています。曰く、ふつう「毅然とした態度」というのは互いに社会的相互作用がはじまった後の行動について言うとし、自分がナンパや痴漢のターゲットになっているかもわからない状態で、どうやって毅然とした態度を取ればよいのかと。また「スキがある」ということが、相手の男性に対して関心を持っていないにもかかわらず、関心があるかのような行動を取る傾向があることを意味するならば、それは実験では支持されないとし事実は全く逆であるとしています。

続けて2つの指摘をしています。1つは、予期せぬ性的なアプローチにあった頻度には大きな個人差があり、分布が偏っているということ。1つは、子どもの頃によくナンパにあった女性は、成長してからもナンパにあう傾向があることです。

ここまで読んで私は思いました。ナンパって、やらしてくれそうだと思える女性にやらしてくれるかと誘っているのだから、要は、男が感じる、その“女のやらしてくれそう”が何かを探すことではないでしょうか。

著者は学者なので、使う用語や概念が難しいのですが、結論からいうと、それは、女性の性格的特性の違いによって説明されるとしています。その前に、セルフ・モニタリングという概念を知らねばなりません。セルフ・モニタリングは、自分の感情の表出や、言語的・非言語的な他者とのコミュニケーション行動、他者に対して自分がどのように見えるかといったことをよくモニターし、これらのことを社会的状況に応じて効果的に行うことができるかどうかの特性をいいます。これが高い人と女性的な印象のある人がナンパを受けやすいのだそうです。

読者からする、犯罪ではないナンパをリスクあるものととらえ、自身のセルフ・モニターと女性らしさを意識せよといったところで、あんまり面白くないです。何度も言いますが、犯罪ではないということに注目し、逆に女性にナンパを受けやすくするほうにこの研究成果を使ってはどうでしょうか。いろいろなビジネスに応用できそうです。ただし、ここで私は、女性が不快さを受けることを容認しているものはではありません。





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[2009/05/23 00:10] | 千夜千冊 | コメント(0) | page top
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